中退した話

いろいろあって茨城高専を中退した話です

入学まで

中学生時代にプログラミングに興味を持ち、地元から少し離れているが県内にある茨城高専を受験した。
当時は高専の校風に憧れていて、工学オタクと過ごす学生生活に期待を抱いた。そのため高専以外の選択肢をあまり考えていなかった。
希望していた専攻へのチケット(茨城高専では専攻への配属は三年からで、基本的に成績が良い方から優先的に選ぶことができる。これを受験時に先に選べる仕組みがあったためそれを使った)と共に合格した。
実家があるつくばから高専があるひたちなかへのアクセスはあまりよくない上に早起きに自信がなかったため寮を選択した。

学生生活(~2年)

一年生の頃はロボット部に所属していた。回路班でコード書いたり基板を削ったりするのは楽しかったが、そういった活動に熱が入ったおかげで成績は徐々に落ちていった。それでも最初の頃は結構よかったことを記憶している。
ロボコンが終わって二年生になると今度は技術系のアルバイトを始めて(といっても開発業務ではなかった)、金が入るようになったので遠くに出かけるようになった。東京でやってる展示会や技術系イベント、高専カンファレンスなどにも行った。ハッカソンなどのイベントにもちょくちょく出ていた。
二年生の年末に開発のバイトを始めた。ここで割ともらえるお金が増えたので一人暮らしを始めることにした。かねてより寮が合わないと感じていたのが大きな理由だった。

コロナ、ひとり暮らし、留年

春休みが始まるタイミングで学校の近くで一人暮らしを始めた。それはもうわっくわくだったが、その後コロナウィルスが流行する。
遠隔授業の間は登校の必要がなかったので、家でひたすらバイトのコードを書いてゲームをしていた。
最初はそれなりに楽しかったが、学業の方はおろそかになる一方だった。もともと課題の管理が苦手でほぼテスト点で切り抜けていたが、遠隔授業では課題の分量がでかい。課題の提出をもって出席とする科目などは致命的だったが、なんだかんだで救済措置はあったのでそれで乗り切った。
夏休みが終わって、確か一か月ほど経ったくらいで対面授業が開始された。
コロナ禍でたるんだ生活力では徒歩10分の登校も困難で、ひたすら遅刻していた結果、年度末には単位を取るには出席が足りない教科がいくつか出てきた。
あまり大きな声では言えないが、それでもいくつかの教科の担当教員は救済措置を講じてくれた。しかしある科目だけはそれが許されず(本来それが正しい)、留年を余儀なくされた。

留年生活

留年後最初の登校は結構緊張したが、知り合いがいたのと、親切な人が多かったので大いに助かった。
起きれない俺のために毎朝モーニングコールをしてくれるやつもいた。本当にありがとう。
最初は結構前向きに頑張っていたと思うが、それもなかなか続かず、また遅刻続きの生活がはじまった。
また金策にも困り始めた。一年やっていた有給のインターンが終わり、知り合いのつてで始めたバイト先が一か月で潰れた。九月ごろだったと記憶している。このタイミングで収入が途絶え、一方で浪費癖が直らず、親に仕送りを頼みつつWantedlyでバイト先を探し始めた。結果いい感じのところが見つかり、都内だったのでお願いしてリモートでインターン生として参加させてもらった。

二度目の三年生は出席もやばかったが、成績の方がもっとやばかった。
課題を全く出さないことに加え、テストに臨む態度も昨年よりよほど不真面目であったため、最終的に5教科くらい落ちていたと思う。その中には体育もあった。
結局年度末には進級は難しそうだということになっていた。このタイミングで春休みのコミットについてインターン先から聞かれたので、学校をやめるかもしれないのでその時はフルコミしますということを伝えた。
その日のうちに親に退学の意思を伝え、次の日には担任にも同じことを言った。特に反対はされなかった。
あまりにもスムーズに話が進んだので、今の上司は驚いていた。

退学までにやったこと

高専を三年次まで履修すると大学受験が可能になる。これはおそらく高卒認定を取るのと同じような効力を持つのだと思う。
一方学歴の方は中卒になる。まあ履歴書などには高専三年次修了後退学、くらいは書いていいのかもしれないが。
なので当然休学からの大学受験も選択肢に入ってくる。ちなみに俺の場合は色々あって休学の選択はしないことにしていた(退学するからということでいろいろ面倒見てもらった面があったので)。

しかしその時の俺は三年次修了すら難しい状況だった。
そのような場合にも一応どうにかする方法がある。三年次修了せずに退学する場合、どうやら足りていない単位について再受験が可能なようだ。「高卒相当の学力を有する」という保証を土産に持たせてくれるらしい。
俺の中ではそのまま中退して、欲しくなったら高卒認定でも取ろうと考えていたが、担任にその旨を伝えると上記の方法を提示してくれた。
結果的にその方法は取らず、やっすい頭を下げて課題を出すなどして修了したのだが(退学すると決めたからできたことだった)、一応このような方法もある。学校によるかもしれないので学則など確認してほしい。

そうして無事(?)に高卒相当の学力を有すると認められた俺は悠々と退学。そこに住み続ける必要がなくなった1Kのねぐらに帰り、日がな一日コードを書く生活が始まった。

反省

まず出席はするべきである。出席をするのに必要なのは気力であり、気力を生むのは前向きな心持ちだ。としか言いようがないくらい気持ちの問題で学校に行けてなかった。
多少欠席が続いたくらいでは留年しない場合もあるので、あまり気に病まず前向きにやるべきだった。
また俺は教員に相談すると安心する人間だったらしいとうのが最後の方に分かった。自分の進級の可否を握ってる人間に腹の内をさらすとだいぶ楽になる。そうでなくても親身に聞いてくれるいい先生だった。もっと早くから定期的に相談すればよかったと後から思った。

あといきなり退学というのも結果的になんの不利益にもならなかったがやめた方がいいと思う。休学という選択肢もあるし、進級 or 退学という極端な状況は避けるべきだった。
ちなみに退学後は学生身分を失った状態でしばらくフリーターをやっていたので、親に就職をせかされていた。休学ならそんなことも起こらないだろう。

その後

ITエンジニアとして就職してかなり大丈夫になっています
朝は未だに起きれません

(終)